この本はよく難解だと言われますが、ちっとも難解ではないです。
頭から真面目に読めば時間はかかるけどすんなり理解できます。
僕にはマイナーな歴史上の人物がばんばん出てくるdifference engineの方がよっぽど難しかった。
ただ、文学的表現が多いことと、未来と過去は分岐的に複数存在するという基本コンセプトが早い段階で読み解ければ佐々木敦氏の解説は要りません。半分は本編をトレースしているだけなのでむしろ邪魔です。
お気に入りは"09 Freud"。あまりにシュールで笑えます。
この本を読んだ円城棟に対する直感的な感想は、現代のミヒャエルエンデと呼んでいいのではないかと思うほどでした。(ネバーエンディング・ストーリーとかmomoとかの著者ね、ドイツ人)
さて、このところSFづいてますが、SF作家はうまく嘘をつかないといけないので、大量の真実を投入するため博識な人が多いようです。(たまたまあたりを引き続けてるだけかもしれませんが)
そういえば、荒俣も京極も嘘をまぜるのがうまいですよね、内容というかプロットはたいした物ではありませんが。
ちなみに、伊藤、円城塔は中学生のときはウィリアムギブスンを熱心に読んでたそうですが、僕が中二病のときは日本でおもしろい作家が居なくて、PKD(フィリップKディックね、ブレードランナーとかトータルリコールとかマイノリティレポートの)やスティーブンキングを熱心に読んでたわけで、たまに煙に巻くような不要な複雑性を絡めるところがあると、それでいいのか?と思う節もあります。
ちなみのちなみにそのころ東野翁はまだ乱歩賞とったばかりくらいで、今みたいな”プロットのしっかりしたラノベ形式”の技術は持ち合わせていなかった。
でも伊藤計劃にははまったけど。たぶん小島秀夫繋がりでシンパシーを感じたからでしょう。
それに彼の小説は円城塔に比べるとエンターテインメント性があるし。
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