2009-09-22

奥田英朗 町長選挙

伊良部シリーズはこれで一気に読んでしまったわけだが。
今後続編が出るかわからないけど、総じておもしろかった。

読んでて思ったのが、奥田英朗という人は心がとても若いんだろうなということ。
若作りの文章なら取材すれば誰にでも書けるけど、彼のそれは天然を感じさせ、
それによりキャラクターがいきいきして見えてくる。

作中あまりしゃべらず、愛想のかけらもないマユミちゃんが並み居る園児にジャイアントスイングを掛けて回ったり、何もしてないのに猫がよってきたりとか。その猫に注射させたり発想自体が若いんだろうなと思った。ちょっと最後の町長選挙とカリスマ家業はマユミちゃんにしゃべらせすぎの感は残ったけど。

2009-09-19

奥田英朗 空中ブランコ

読みました。
この作品で伊良部一郎と看護士マユミちゃんの人物設定がしっかり決まってくる感じですね。特にマユミちゃんの描写はインザプールに比べかなり多くなってる気がします。
伊良部は何にも知らないのに何か大事なものを知ってる、親の七光りを全身に浴びそれを悪としないスゲーやなやつ。というのがわかってきました。

各短編で甲乙つけがたいですが、義父のヅラと女流作家がおすすめ。

2009-09-17

奥田英朗 イン・ザ・プール

以前三木聡の映画を片っ端から観てたときにこれも観ました。
伊良部一郎役に松尾スズキが出てたやつ。
確か”勃ちっ放し”の主演でオダギリジョーも出てた。

映画では三木聡ワールドに食われて話の内容がよくわからなかったのですが
読んでみるとなかなかいい話だったんだなと実感してしまいました。

要は子供のようにあつかましくてちゃらんぽらんな精神科医伊良部一郎がむちゃくちゃな治療を施していくんだけど、最終的にはその厚かましさが患者を治癒してしまうといったもの
これを軸にした短編の繰り返しです。

インザプールそのものは伊良部一郎シリーズの一番最初の作品なのでちょっと狙いがわかりにくいけど、この短編集で直木賞候補に入っています。
そして今読んでる空中ブランコで奥田英朗は直木賞を取ってしまいます。

ちなみに奥田英朗でいろいろ検索したところ、フジで今秋アニメ化されるそうです。
空中ブランコ
かなり原作ねじ曲げられてそうですが、モノノ怪の監督なんでまたかなりシュールな感じでまとめられるのかなって感じです。原作の良さが残ってればいいんですが。
始まったらそのうちここでレビューしたいと思います。

2009-09-13

石田衣良 池袋ウェストゲートパーク

IWGPを読み出したのはほんの3年ほど前 灰色のピーターパンからなので
ドラマ化された部分も含めて読み直してます。もちろんbiblioで

当時石田衣良は脱サラして小説を書き始めた頃だけあって多少時代は感じさせるもののパワーのある文章で綴られています。
でも、もう十年も同じものを書き続けているのにぶれてないのがすごいです。
多少バイオレンスなところは時代とともに柔らかくなってるように感じましたが。
いい意味でも悪い意味でもむらッ気を出さないというのはこれはこれで難しいことだと思いました。
(対局にむらっ気のある作品を挙げるとすると東野圭吾の加賀恭シリーズでしょう。あれはもう実験場と化してる。)
いや、東野圭吾とてもいい作家ですよ(僕の周りでは評判悪いけど、特に京極信者には。。。)文章を論理的に最適化しちゃうから読み応えがないように感じられてるみたいですけど。
なんて作家作品批評はしない方がいいですね、各々好きなもの読めばいいわけだし。

ちなみに6TEENも最終話まで読み終えましたが、世界観は4TEENからきっちり受け継がれてます。で、読書メーターで読み終わった本に追加したら、僕しか読んでないことになってました。やっぱり刊行されて本屋に並ぶまで読んだことにしちゃいけないのかな。
6TEENの感想はちゃんと刊行されてからにします。
勇み足、迂闊。

2009-09-10

中島らも 寝ずの番

この作品も中島らもに有り体のいわゆる落語のネタになってて、短編が三つの構成でできあがっています。
過去にこれの映画は観たんだけど、珍しいほどほぼ原作通りでした。
当たり前すぎてなぜか少し残念なような、気もするくらいです。
ただ最後のしもねた合戦は活字で見るとかなり過激

2009-09-09

伊坂幸太郎 重力ピエロ

biblioで読みました。
慣れるもんで、閉めたままタッチだけで読めるようになってきました。
ボタンの寿命を気にしながら連打するよりこっちの方が精神衛生上は
良いんだろうけど、ちょっと気を抜くと見知らぬページに飛ばされることが
まだたまにあります。

ところで....黒沢出てきましたねぇ、探偵業もしてたとは。
手口と領収書を必ずおいていく泥棒。
コンセプトとしては好きです。やられたらさぞかし悔しいだろうけど。

文体の雰囲気は魔王に似てたような気がします
章立てがおもしろいですね。
”ミステリにおける退屈な手続き”と自分で開き直るところが素敵です。

2009-09-08

エロティシズムとメディアの発展についての一考察

biblioを手に入れてから電子書籍サイトにあしげく通うようになったが、
利点としてはまず電子書籍サイトでは総じて本の価格が安く、有名な書籍だと
サイトごとで価格が違うことがしばしばある。これは歴史的に観ても
価格の自由競争を誘発する。
他方欠点として発刊されるのがおそい。どのくらい遅いかというと
賭博黙示録カイジがまだ9巻までしかでておらず、
Eカードの途中で足踏みさせられている。という個人的心情は別にして、
どうもハードカバー→文庫→電子書籍の順でメディア化してるようだ。

今時の作家は漫画家でさえも電子化した形で入稿している事が多いはずだから、
本来なら 電子書籍→ハードカバー→文庫の順でもおかしくない実際新潮社+石田衣良
などはそのような試みをしているのだが。
やはり本そのものに対する所有欲というのが邪魔をするのか、書斎には大きな本棚があるものだという前世紀的観念が未だ往来しているようだ。
個人的には情報に重さは必要ないと感じているので、電子書籍市場はもっと盛り上がってほしいのだが、そうもいかないのだろう。

一方書籍の中でも書斎に似つかわしくないものがある、それがエロだ。
もちろん谷崎や村上なんかのエロは書斎に大きな顔で居座っていてもいいのだろうが、いわゆる官能小説、エロ漫画などはこれに値しない。個人のリビドーに反してむしろボタン一つ、パスワード一発でその所在を消したいと思っている人間が多いのではないだろうか。

諸電子書籍サイトを見て回っても、出版社直営ではないサイトでは必ずといっていいほどエロが存在し、ダウンロードランキングの上位を占めている。これはVHSやDVDの発展と重ね合わせられる大きな市場の特徴と言えるのだが、エロ漫画に対する需要がどの程度あるのか、DVDなどのようなプレイヤーの普及とこの件がどれほど類似しているのかは、僕にはわからない。

この市場は編集王の最終巻にあった書籍価格拘束法や古本に対する大きな対抗策と考えられるだけにもっと発展すべきだと考える人がもっといていいと思うのだが。

こればかりは神のみぞ知るといったところだろうか。

2009-09-06

中島らも ガダラの豚

この作品、ちょうど僕が東京に来てからのもので、中島らもからも離れてた時期、珍しく長編だし読みたいと思いつつ読む機会を逸してたんですが。。。

いやー怖かった。一応ぎりハッピーエンドですが
何が怖いって、死亡フラグ立ってない人間がいきなり殺されたり、英雄フラグ立ってる人間が、極悪人になって襲ってきたり。
殺され描写も妙にえげつない。
模倣犯が児童文学推薦図書に思えるくらいです。


評価の分かれるところかもしれませんが、お約束ホラーに飽きてる人には
一読勧めます。ただし1,2,3の途中で投げ出さないのであればという条件付きで。

でも何が一番ひやひやしたかというと、中島らも自身アル中で葉っぱも海外でとはいえばかすかやる人だったので、その描写のリアルさ加減に当時ガサが入ったんじゃないかと心配してしまいました。


http://book.akahoshitakuya.com/u/31670
早速荒く読書メーター登録しまくってみた。
東野作品はきりがないのでまだ登録してません。